大竹伸朗の芸術作品紹介 アートな銭湯『I♥湯』など

香川県直島町にある銭湯『直島銭湯「I♥湯」』(以下『I♥湯』)。まるで絵本から飛び出したコラージュ作品のようにカラフルで遊び心がいっぱいの外観が印象的ですが、最も驚くべきはこの作品そのものがだれでも利用できる「銭湯」だということでしょう。そんな「アート作品兼、銭湯」「湯舟につかりながら楽しめるアート作品」である『I♥湯』を制作したのが、今回紹介する現代美術家・大竹伸朗氏(以下敬称略)です。

Nana N.さん(@jolienana)がシェアした投稿

(『I♥湯』 外観)
大竹伸朗のつくる作品は、奇抜なコラージュ作品のような建築物が多いですが、絵本製作やテキスタイルデザインにも取り組むなど、その活動の幅は多岐にわたります。本記事では、日本を代表する美術家でもある大竹伸朗、そして彼の作品について紹介します。

大竹伸朗のプロフィール

1955年東京都目黒区に生まれた大竹伸朗は、小学生の頃は漫画家を志望していました。当時の少年漫画に掲載されていた「紫電改のタカ」の図版を切り抜き制作した自身のコラージュ作品『「黒い」「紫電改」』で貼り絵に目覚めたそうです。1965年に入り練馬区に引っ越すと、家の近所にあった手塚治虫のアニメプロダクションに通い、スタッフに絵の指導を受けたり、セル画をもらったりしていました。1974年、大竹伸朗は東京芸術大学を受験するも失敗し、結果武蔵野美術大学油絵学科に入学しました。

しかし、入学して一週間後、大竹伸朗は大学を休学。北海道の牧場に無給、住み込みで働く生活を開始しました。そして1977年から1978年の1年間、唐突にイギリスのロンドンに渡ることを決めました。ロンドンに落ちている新聞やキャンディーの包み紙にすべて英語が印刷されていることにひどく興奮した大竹伸朗は、「ここでなら、いくらでもなんでも作れる気がする」と、ロンドン滞在中に数多くのスケッチや写真を撮り溜めました。

その時の作品を一つにまとめたものを後に「UK77」という作品集として出版しています。その後、帰国した大竹伸朗は大学に戻り、無事卒業。本格的な作家活動を再開しました。

 

大竹伸朗の作品紹介

大学卒業後、本格的に作家活動を再開した大竹伸朗。1988年、東京のアトリエを引き払い、愛媛県宇和島で制作活動を開始しました。

宇和島を始めとする瀬戸内海に浮かぶ島では、発信、誘客活動の一環として「ART SETOUCHI」が行われています。「ART SETOUCHI」では3年に1度現代アートの祭典として「瀬戸内国際芸術祭」が開催されていますが、大竹伸朗も宇和島で制作そた多くの作品を出展しています。

ここでは、大竹伸朗が瀬戸内海の島で制作した作品をいくつか紹介していきます。

『舌上夢/ボッコン覗』大竹伸朗

Nanaさん(@iiipupu)がシェアした投稿

こちらの作品は直島で行われた家プロジェクトで展示された作品。家プロジェクトとは、使用されなくなった空き家を改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込みながら、空間そのものをアーティストが作品化していくプロジェクトのこと。このプロジェクトで大竹伸朗は、かつて歯科医院だった建物をまるごと作品化しました。

大竹伸朗独特のアートが織り込まれたこの作品。タイトルの「舌上夢」は何か口にしている時、味や匂いなどの感覚からたどる夢の記憶のプロセスが表現されています。

『直島銭湯「I❤湯」』大竹伸朗

t.senoさん(@t.seno)がシェアした投稿

冒頭でも紹介した『I❤︎湯』は、2009年にオープンした銭湯です。こちらの銭湯は実際に入浴ができる施設になっていて、お風呂に浸かりながら大竹伸朗のアートを楽しむことができます。

外装はもちろん、浴槽の中や脱衣所、蛇口に至るまですべてが大竹伸朗のデザイン。大竹伸朗の有名なスクラップブックの手法も用いられていて、施設の所々に昭和の雰囲気が漂っています。

『女根/めこん』大竹伸朗

evismaさん(@evisma)がシェアした投稿

女木島にある休校中の小学校で展開される作品。大竹伸朗のアート全開な作品が盛り込まれています。先ほど紹介した銭湯同様にタイル画やスクラップブックの手法が「記憶を呼び起こす仕掛け」として活用されているのも注目です。

 

『針工場』大竹伸朗

2016年の瀬戸内国際芸術祭でも出展されていた作品。他の作品同様テーマは「記憶」で、宇和島に元々あったものを使って船形を作りました。建物は、以前島の雇用促進のために町長rあに依頼されて作られたメリヤス針の工場。しかし、海外とのメリヤス針の生産競争に敗れ、工場は閉鎖。それ以来ずっと空き家の状態でした。

他の作品にはない、落ち着いた雰囲気があります。

 

次ページ:大竹伸朗のデザインするTシャツも前衛的?

 

1

2

関連記事

  1. 銀座蔦屋書店 「本とアート」の魅力が詰まった新空間

  2. 笹倉鉄平の作品紹介 「光の情景画家」が描くヨーロッパの街並み

  3. チョーヒカルの「UNUSUAL ART」紹介 あなたもきっと騙される!…

  4. ミニチュアアートって?今注目 4人のアーティスト紹介

  5. 現代美術家 ダミアン・ハースト 描く「闇」の先にあるもの

  6. Reborn-Art Fesrival(リボーンアート・フェスティバル…

  7. 毎年秋に開催!六甲ミーツ・アート 「芸術散歩」のすすめ

  8. 六本木アートナイトでアートな一夜を!見所紹介

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。