Yosi Horikawa作品紹介 気鋭の「サウンド・クリエイター」とは

皆さんは「サウンド・クリエイター」という職業をご存知でしょうか?サウンド・クリエイターとは呼んで字の如く「音を作り出す仕事」です、作曲家とは似て非なるものです。「曲」というジャンルに囚われず、あらゆる「音」を生み出します。

そんなサウンド・クリエイターとして注目を集めているのが、Yosi Horikawa。フランスでデビュー以降欧州を中心に活躍し、今や世界で最も注目されるクリエイターの1人です。本記事ではYosi Horikawaという人物、そして彼の作品について紹介します。

サウンド・クリエイターYosi Horikawaって

サウンド・クリエイターYosi Horikawaは、欧米を中心に世界的に活動するサウンド・クリエイターです。 Yosi Horikawaの公式ホームページ で「環境音や日常音などを録音・編集し楽曲を構築するサウンド・クリエイター」と紹介されているように、Yosi Horikawaの作品には自然や日常の中にある有機的な音が溢れています。例えば、聴こえてくるのは、水の音、ボールが落ちる音、えんぴつで紙に殴り書きする音、なわとびの音…。そういった聴きなれた音を絶妙なバランス感覚で操り、組み立てている点がYosi HoriKawa の特徴であり、魅力です。

Yosi Horikawaの経歴

公式ホームページ によれば、Yosi Horikawa は2010年にフランスEklektik Records からEP『Touch』をリリースしデビュー。2011年には、世界的な音楽学校「Red Bull Music Academy」に日本代表として参加します。それ以降もYosi Horikawaはヨーロッパを中心に活動し、2013年にはスペインの「Sónar Barcelona」や、クロアチアの「Dimensions Festival」、ポーランドの「Tauron Nowa Muzyka」など、世界的ミュージックフェスティバルに出演しました。

平行してヨーロッパの複数のレーベルからアルバムをリリース。同年に12カ国19都市を廻るワールドツアーも成功させます。2014年には北米にも活動の場を広げ、ロサンゼルスのイベント「LOW END THEORY」やカナダのフェスティバル「MUTEK」、そして世界最大級の「Glastonbury Festival」に参加。2015年には南仏最大級の音楽祭「Worldwide Festival」にも出演します。そこではトラックメイカーのDaisuke Tanabeと共演し、高い評価を得ました。演奏活動に加えて、メディア向けに楽曲制作も精力的に行っており、近年は日本でも活躍しています。

 

3.Yosi Horikawa の作品

ここでは、そんなYosi Horikawaの作品のいくつかを紹介します。全く新しいサウンドであるにもかかわらず、どこか懐かしく心地良い響きに酔いしれてみてください。

①『Skipping』(Yosi Horikawa)

Yosi Horikawaの作品の中でも特に印象的な「Skipping」。というのも、この作品で主に用いているのは、「縄跳び」のサウンド。曲を通して「前飛び」がリズムよく刻まれ、耳に優しいサウンドが響きます。時折割り込んでくる「二重飛び」の風を切る音はたまりません。

更に、これまたリズムよく男の子の声が「合いの手」として加わります。「縄跳び」の音は、おそらく多くの日本人と同様、Yosi Horikawaにも子供時代を連想させるからでしょうか。しかも、この男の子、関西弁を話します。「ぴょんとこさ」という声が高くて掠れているのを聴くと、思わず顔がほころびます。

②『Letter』(Yosi Horikawa)

作品名からも連想できるように、まるで手紙(Letter)を書いているかのような印象を受ける冒頭部。紙をめくり、鉛筆の先が紙のを上をさらさらとすべるサウンドから始まります。しかもこの書き手、かなりのスピードで書いているよう。臨場感が心地良い作品です。

リズムは比較的一定で、劇的な変化はないこの作品。しかし飽きることなく夢中にさせられるのは、私たちが昔から聞きなれた鉛筆と紙のこすれる懐かしいサウンドのせいでしょうか。いや、裏で一定間隔で鳴っているマリンバのような丸いサウンドのせいかもしれません。「Letter」に限らず言えることですが、Yosi Horikawaの作品にはこのマリンバのようなオリエンタルな響きを持つ音色がよく登場します。Yosi Horikawa自身も「カリンバや、シルクロードを通じてやってきた楽器が気に入っている。自分のルーツを感じるから」と2012年のインタビュー で語っています。

③『Bubbles』(Yosi Horikawa)

様々な「何か」が重力によって地面に落ち、弾み、そして静止する。それがこの作品の冒頭部です。ピンポン玉のような軽いバウンスもあれば、子供の頃に遊んだような大きくて柔らかいボールの鈍いバウンス、あるいは細い棒のようなもののバウンスも。あくまでこれは筆者の想像であり、聴く人によって連想するイメージは異なるでしょう。様々な形態の「何か」が次々とリズムよく落ちていくサウンドの後ろでは、「Letter」同様、丸くて響きのある心地よいサウンドが刻まれています。あらゆる「もの」の音と音階が絶妙に絡まりあって、規則的/不規則的の絶妙なバランスを維持しています。

 

次ページ:Yosi Horikawaの作品紹介④ MVも見所満載の『Stars』

 

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