写真家・ヨシダナギ 「カッコいいアフリカ」を伝える 

写真家のヨシダナギ氏(以下敬称略)をご存知でしょうか?ヨシダナギは、アフリカをはじめ、主に世界の少数民族の撮影を専門に活動する写真家です。被写体の生き生きとした表情が光る写真と、彼女自身の常識に囚われない生き方が、現在注目を集めています。テレビ・雑誌をはじめとするメディアでヨシダナギや彼女の撮る写真を目にしたという方もいるのではないでしょうか? 本記事では、そんな写真家・ヨシダナギと彼女の作品を何点かを紹介します。

 

写真家・ヨシダナギとは

1986年生まれの写真家・ヨシダナギは、幼い頃からアフリカに憧れを抱いていました。きっかけは、5歳の時テレビで見たマサイ族。Pen No.428 のインタビューによれば、「青い服を着て、首にビーズ細工を纏った姿がとにかくカッコよ」く映り、幼少期のころは「大きくなったら、自分もマサイになれるんだ」と信じていました。しかし、10歳をすぎた頃に「アフリカの民族であるマサイになれない」という事実を両親に告げられます。当時のことを「最初の『挫折』」とヨシダナギは振り返ります。

それでもアフリカへの興味を捨てきれなかったヨシダナギ。「アフリカ人になれないならせめて会いたい」と思うようになります。一方で、日本人が抱いているアフリカへのネガティブなイメージの存在にも気が付きます。そのことにショックを受けたヨシダナギは、「自分のヒーローが、実際にそのヒーローにあったこともない奴らにボロクソに言われてしまう。これはいつかなんとかしないと」と思うようになります(Pen No.428 )。そして2009年、23歳の時に一念発起してアフリカへと旅立ちます。

 

ヨシダナギが裸で撮影する理由

ヨシダナギが時には服を脱いで写真を撮るというのはよく知られています。その撮影スタイルを確立するきっかけとなったのは、23歳の時、初めてのアフリカへの渡航でエチオピアを訪れた時でした。

エチオピアで女性が下唇を切って皿をはめているムルシ族に会いに行ったヨシダナギでしたが、「彼女たちの第一声は『5ブル(約30円)』」(ヨシダナギ インタビュー 毎日新聞)。どんな少数民族も、グローバル化した現代においては既に知られた存在となっているのも事実です。ムルシ族の彼女たちも「写真を撮られ慣れて」いたのでしょう。結局、ヨシダナギはムルシ族との「ビジネスライク」な関係性を打破することができず、もどかしさと共に帰国します。

(ムルシ族)

その後アフリカに定期的に通い続けたヨシダナギは、2012年初めて裸で写真を撮影することになります。カメルーンのコマ族を訪ねていたヨシダナギは、それまでと同様の「ビジネスライク」な関係性を打破するため、通訳に「服を脱ぎたい」と伝えます。通訳はヨシダナギを止めるも、しぶしぶコマ族の長老に伝えたところ、「我々の文化を尊重している」と歓迎されることに。

そして、ヨシダナギは長老の4人の妻たちに着替えを手伝ってもらいながら服を脱ぎ、下腹部の前後を葉で隠すだけの伝統衣装に着替えます。するとコマ族は一気に歓迎のムードとなり、距離をぐっと近づけられたといいます。なんと長老からは「5番目の妻に迎えたい」とまで言われたとか。(参考・引用 ヨシダナギ インタビュー 毎日新聞

そこからヨシダナギの「伝説」は始まります。「裸で写真を撮るアジア人」としてアフリカの一部の人の間では知られた存在となっているとか。並大抵の覚悟ではできないことですが、ヨシダナギを突き動かすのは「カッコいいアフリカを伝えたい」という思いです。

「アフリカ=かわいそうな国々というイメージはまだまだ多い」。そんなイメージの「『カウンター』でありたい」(Pen No.428 )。「カッコいいアフリカ」を世界に発信するため、写真家・ヨシダナギの旅はまだまだ続きます。

 

写真家・ヨシダナギが撮るアフリカ民族

写真家・ヨシダナギが撮るアフリカ民族① ボロロ族


アフリカ西部ニジェールを中心に、遊牧民生活を営んでいるボロロ族。最も美しい男性を選ぶ「ゲレウォール」という祭りを年に1度開催することでも知られています。その「ゲレウオール」用の衣装を身に纏っているのがこの写真です。

 

こちらはボロロ族の女性たち。ヨシダナギによればシャイな方が多いそうです。男性とは雰囲気の異なる衣装ですが、色が鮮やかでデザインも美しいですね。

 

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