デザインユニットKIGI 初の大規模な個展を開催

皆さんはKIGI(キギ)という名前を耳にしたことがあるでしょうか?KIGIは男女2人からなるデザイン会社。デザイン会社というと、依頼を受けて広告や商品のデザインを行う…といったイメージが強いかもしれません。しかしKIGIはそれだけに留まらず、オリジナルのファッション・プロダクトブランドから店づくりや町おこしまで非常に幅広く手がけています。   そんなKIGIにとって初の大規模な個展「KIGI WORK&FREE」が、2017年7月16日(日)から9月24日(日)まで、宇都宮美術館にて開催されています。名前の通り、クライアントから依頼を受けて制作した作品(WORK)とそれぞれがプライベートで制作した作品(FREE)の両者が展示されています。

 

ここで、デザインユニットKIGIのお二人について、ご紹介したいと思います。

 

「KIGI」とは

KIGIは前述した通り、ポスター、グラフィック、オリジナルプロダクト等を手がけるデザイン会社です。2012年にグラフィックデザイン会社(株)DRAFTからフランチャイズシステムを利用して独立する形で、渡邉良重氏と植原亮輔氏が共同で設立しました。KIGIは既存のジャンルにとらわれない新しいデザインを提案し、幅広い分野で活躍。日本を代表するアートディレクター2人が手がけるKIGIはその存在感から、各界で注目を集めています。個々での活動に加え共同での仕事も多く、2人が制作した作品の展示会もコンスタントに行われています。

「KIGI」という名前の由来

名前の由来は、2人のKIGIとしてのあり方や考え方をもとに、クリエイションを木に例えたことからきています。木は地面の下の根っこから養分や水分を吸い上げ、地面の上に出てひとつの幹から枝葉に分かれて実ができる。その構造に共通点を見出したそうです。「いろんな条件や技術、想いみたいなもの、いろんなもの全部吸い上げて一つのコンセプトとして世に出す。枝葉に分かれて実ができる、つまり実はデザインや商品。それが人々の手元に届き、人に何かしら影響し、新しい営みが生まれる。という循環がある。」と植原さんは語ります。(BUHインタビューより)そんな風に一つひとつ丁寧に増やしていきたい。 KIGIという名にはそんな想いが込められています。

 

「KIGI WORK&FREE」展示紹介

ここからは現在開催中の「KIGI WORK&FREE」展示について紹介していきます。

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会場の構成は2人のそれぞれの特徴や違いを魅せるために工夫が。両者の作品を対比的に見せ、中央に共同で制作した作品を展示。そのことで互いの作品の魅力をより引き立て、幅広いジャンルの作品を手がけるKIGI というブランドそのものの姿も表現しています。

『時間の標本』

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KIGIの原点とも象徴とも言えるこの作品。分厚い古書の間に止まっている蝶は今にも飛び立ちそうです。実はこの蝶は本のページに描いたイラストを輪郭に沿って切り取ったもの。よく見ると蝶の羽には文字が印刷されています。非常に繊細でリアルな蝶の姿はまさに本物の標本のよう。 蝶は羽を広げて止まっているときは平面的だが羽ばたくと立体的になります。その姿に二次元と三次元を回遊しているようなイメージを持ったそうです。平面が起き上がっていく、という点でKIGIのプロダクトに共通する部分があります。

 

『D-BROS』 Flower vase

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DRAFTのオリジナルプロダクトデザイン『D-BROS』のロングセラー商品となっているビニール製の花瓶を用いたインスタレーション。色鮮やかな花瓶が床一面に並べられています。 実はこの商品、使用前は一見するとパウチ状の平たいビニール袋なのですが、中に水を入れると膨らんで立体的になり、花瓶に変身します。その意外性と華やかなデザインが人気の理由。柄や色の種類が豊富なので、飾る花の種類に合わせて様々なコーディネートを楽しむことができます。 この商品はD-BROSのサイトから購入可能です。

 

『風贈り』

宇都宮美術館とKIGIのオフィスは離れているため毎日通うことはできません。その代わり毎日想いを届けたい、と考えて作られたのがこの作品。風鈴の短冊に想いを綴り手紙の代わりに毎日送り、それを受け取った美術館の学芸員さんに吊り下げてもらうことにしたそうです。毎日手紙を送るという作業を通じて、1日1回は美術館に気持ちを向ける。そんなKIGIの思いが感じられます。 完成させたものを作品として展示する。そんな美術館の常識を覆す、新しい作品の形です。KIGIの2人だからこその発想ですね。2人の想いを乗せて、今日も涼しげな風鈴の音が館内に響いていることでしょう。

 

 次ページ:引き続き風がモチーフの作品『風形』

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