皆さんは、『花椿』という広報誌をご存知でしょうか?資生堂の化粧品を愛用されている方なら1度は手にしたことがある『花椿』。1937年から愛され続け、2016年1月より大幅リニューアルを迎えました。今回は、既にご存知の方も、初めて聞く方にも是非読んでいただきたい『花椿』の魅力をご紹介いたします。
『花椿』とは
『花椿』とは、資生堂の広報誌。今でいう、フライヤーのことです。「人々が美しく生きるためのさまざまなヒントをお届けする」というコンセプトのもと、化粧品情報だけではなく幅広いジャンルを扱う、男女共に楽しんでいただける情報誌です。
『花椿』の歴史
『花椿』の歴史は、1924年にまで遡ります。現在の『花椿』の前身として同年11月に『資生堂月報』が創刊。欧米風の生活文化情報を伝えることを目的に、美容や海外トレンドについて取り上げました。そして1933年『資生堂月報』の後継として、『資生堂グラフ』が創刊されます。こちらは当時珍しかったスポーツをする女性を登場させ、「次世代の女性像」を描き、関心を集めました。
その4年後、資生堂化粧品の愛用組織「花椿会」の発足に合わせ、誌名を現在の『花椿』に変更し創刊を開始しました。美容・化粧情報だけでなく、食文化、海外トレンド等を取り上げる「時代の最先端を伝える媒体」として、戦後60年代には680万部を超える国民的な雑誌に成長します。
1980年代からは、先鋭的なカルチャー誌という方向性を強め、アートへ思考が強まります。言葉の芸術として、詩歌を取り入れはじめたのも1980年代です。
そして、2016年。「はじめまして、花椿です。」というキャッチコピーとともにデジタル時代に対応した、紙とWEBを組み合わせるクロスメディアへと生まれ変わりました。つづいて現在のウェブ版『花椿』に掲載されている企画を紹介します。
『花椿』企画① 美をめぐる旅
みなさんは、「奇界」という言葉をご存知ですか?言葉の通り、「奇妙な世界」のことを「奇界」と呼びます。思わず、廃墟や心霊スポットを思う言浮かべて、苦手意識を持つ方もいらっしゃるかもしれません。今からご紹介する企画は、そんな「奇界」の中にある「美」について書かれています。
企画のコンセプトは「日本全国、様々な「美」を探す旅に出る。」。世界各地の「奇界」をハントするフォトグラファー・佐藤健寿氏(以下敬称略)が各地の「美」をめぐる連載です。一見、「奇界」と「美」全く逆のように聞こえる言葉ですが、2つが重なり合って生まれるものが世の中にたくさんあります。
例えば、2016年12月27日の記事。佐藤健寿は、奇祭が行われるという「悪石島」へ向かう前に宮古島へと足を運びます。そこで、宮古島の北端にある現代美術作家の森万里子氏が設置した「サンピラー」へと足を運びます。
サンピラーとは、太陽の柱を意味します。その名の通り、岩と空を繋ぐように空へと向かう白い棟は人為的にではなく、まるで自然が作り出したかのよう。佐藤はサンピラーを見た際の感想をこのようにつづっています。
「太陽が海へと飲み込まれる頃、サンピラーはその光と影を同時に伸ばして、まるで稀有な自然現象か宗教的な奇跡現象のような光芒を生んだ。(中略)それは蛇のようにも虹のようにも見えて、現実と非現実の間で、奇妙に波に揺れていた。」(【南国奇祭探訪1】宮古、神話と奇景が混ざり合う島より)
1度入り込んでしまうと抜け出せなくなりそうな「奇界」……いや、「佐藤健寿ワールド」。一度目を通していただきたいです。
『花椿』企画② 花椿アワー
花椿は約60年前、音楽番組を持っていた。そう聞くと、驚かれる方が多いのではないでしょうか?昔から時代の最先端と呼べるような様々なジャンルに挑戦している花椿。今からご紹介する企画は、60年越しに復活し、現代のエッセンスが加わった素敵なコンテンツです。
企画のコンセプトは、「tofubeats選、美容のための音楽集」。1990年の若手クリエイター、DJ tofubeats氏(以下敬称略)が、今の気分に合った音楽をラジオ風に紹介する番組です。「1990年生まれといえば、若者じゃないか」というイメージを持たれてしまうかもしれませんが、懐かしいと感じられる曲も含まれているので、幅広い年代の方に受け入れていただけます。
例えば、2017年7月7日の「vol.13 リズムの音楽」記事。出だしは、コーネリアス『あなたがいるから』です。
スタートから、体が自然と左右に動いてしまいそう。tofubeatの語りも共感する部分が多く、よく耳にするラジオと一味違った雰囲気に飲み込まれます。
そしてラストは広末涼子の『リズム』。懐かしさであふれる音楽に揺られながら、思い出に浸ることができます。花椿アワーを流しながら花椿のコンテンツを読む事もできるので、休日や仕事終わりのひと時に聞いていただきたいです。
バラエティ豊かな「資生堂オタク」たちの語る”資生堂”
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