デザイナー・ヨーガンレール 自然と共に生きた人生

石垣島で暮らし、自然との共生を訴え続けたドイツ人アーティスト・ヨーガンレール氏(以下敬称略)をご存知でしょうか?40年以上も日本で暮らし、美しい日本が失われていくのを見てきた彼は、デザイナーという職業を通して、自然の大切さを多くの人々に伝え続けてきました。

そんなヨーガンレールの作品やライフスタイルに触れることのできる展覧会が、現在金沢21世紀美術館で開催されています。今回は自然とともに生きたデザイナー・ヨーガンレールの生涯と、彼の遺した作品やメッセージをご紹介します。

 

ヨーガンレールの経歴 


ヨーガンレールは、1944年ポーランド生まれのドイツ人。1960年代初めからパリでテキスタイルを学び、デザイナーとして活動を始めます。1971年に来日すると、翌年には「ヨーガンレール社」を設立。テキスタイルだけでなくオリジナルのジュエリーや家具など様々なデザインを手がけ、1974年には表参道にショップをオープンさせました。

時代はDCブランド全盛期。斬新なデザインや様々な新素材が出回る中、天然素材にこだわったシンプルなデザインが話題を呼び、全国にショップを展開していったヨーガンレール。1999年には六本木から石垣島に移住し、自給自足に近い生活を送り始めます。そんな生活の中から生まれた新ブランド「ババグーリ」は、天然素材を使用することはもちろん、職人の手仕事にこだわり、ヨーガンレールの集大成とも言えるブランドとなりました。


ヨーガンレールが農園で収穫したお米や野菜は、ヨーガンレール社の社員食堂にも送られていました。そんな新鮮な野菜を中心とし、肉や魚、砂糖を使わないヘルシーでこだわり抜かれたメニューは、2007年にフードスタイリストの高橋みどり氏によって1冊の本にまとめられ、ベストセラーを記録。社員食堂ブームの先駆けとなりました。2014年、石垣島で不慮の事故により70歳で永眠。その考え方や生き方は、今も多くの人々に影響を与え続けています。

参考サイト:
ヨーガン レールさんが私たちに教えてくれたこと。
ヨーガン レールの社員食堂
factory zoomer 18th ヨーガンレール展のお知らせ

国内で開催されたヨーガンレールの展覧会

ヨーガンレールの展覧会① 東京都現代美術館

2015年に東京都現代美術館で開かれた「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」は、ヨーガンレール、アルフレド&イザベル・アキリザン、おかざき乾じろ、会田家(会田誠、岡田裕子、会田寅次郎)の4組のアーティストによる展覧会です。毎年夏休みに合わせて企画される子どものための展覧会のひとつで、子どもたちの中に深く残り続けるような作品を、という趣旨のもと開催されました。

ヨーガンレールはこの頃、石垣島の海に流れ着いたゴミを拾い集め、それを用いてランプを作ることをライフワークとしていました。本展ではそんなランプ作品が部屋中を埋め尽くし、美しく幻想的な世界を作り上げていました。ゴミで作ったとは思えないその完成度とデザイン性の高さは、ヨーガンレールの天性のセンスを感じさせます。

公式サイト:http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/whoseplaceisithis.html 

 

ヨーガンレールの展覧会② 十和田市現代美術館

2016年には青森県の十和田市現代美術館でも「On the Beach ヨーガンレール 海からのメッセージ」という展覧会が開催され、ランプ作品のほか、ヨーガンレールが撮影した浜辺の写真も展示。また、写真を通して環境問題を提唱しているクリス・ジョーダンの作品も展示されました。

公式サイト: http://towadaartcenter.com/exhibitions/on-the-beach-jurgen-lehls-messages-from-the-sea/

 

ヨーガンレールの展覧会③ 金沢21世紀美術館

@babaghuriがシェアした投稿

2017年8月、ヨーガンレールのランプたちが再び美術館を彩りました。場所は石川県の金沢21世紀美術館。ヨーガンレールはランプ製作について、「ものを作ることを仕事にしている私の小さな抵抗」であると語り、「最後の仕事」と位置づけていました。そんな「最後の仕事」としてランプ作品を紹介するとともに、ヨーガンレールが長年収集していた「ババグーリ/瑪瑙石」のコレクションも展示。デザインというかたちで環境問題を提唱してきたヨーガンレールの生涯を辿り、その生き方やメッセージを伝える展覧会となっています。

 

【開催概要】

□名称 ヨーガンレール 文明の終わり

□開催期間 2017年8月5日(土)〜11月5日(日)

※月曜休館(8月14日、9月18日、10月9、30日は開館、9月19日、10月10日休館)

10:00〜18:00(金、土は20:00まで)

□会場 金沢21世紀美術館 展示室5、13 (’〒920−8509 石川県金沢市広坂1−2−1)

□料金(当日) 一般:1,000円・大学生、65歳以上:800円・小中高生:400円

公式サイト:https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1748

 

 

自然の美を最大限に生かす ファッションブランド「ヨーガンレール」

 

1

2

関連記事

  1. 現代美術家 ダミアン・ハースト 描く「闇」の先にあるもの

  2. 蜷川実花 世界を艶やかに彩る写真家・映画監督

  3. 六本木アートナイトでアートな一夜を!見所紹介

  4. まるで舞踏会 !ファッションの祭典「メットガラ」

  5. 北村直登って?『昼顔』で話題の色彩を操る画家

  6. ヨコハマトリエンナーレ2017 日本を代表する都市型トリエンナーレの紹…

  7. 鈴木康広の作品6選 新しいモノの見方を提案するアーティスト

  8. ル・コルビュジエ 「常識」を創造した建築家の軌跡

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。