ル・コルビュジエ 「常識」を創造した建築家の軌跡

近代建築の三大巨匠の一人と呼ばれる「ル・コルビュジエ」の建築作品群が、2016年の世界遺産として登録されました。上野の『国立西洋美術館』に代表されるような、鉄筋コンクリートを使った建築作品は、近代建築の礎を創ったと言えるでしょう。そのル・コルビュジエという人物と、その建築はどんなものなのか繙いていきたいと思います。

ル・コルビュジエの経歴

ル・コルビュジエは1887年にスイスで生まれ、地元の美術学校で学んだ後にウィーン、ベルリンで建築・工芸の新しい運動に触れ、パリでキュビスムの影響を受けました。建築のみならず絵画、彫刻、家具のデザインもしており、第一次大戦後には雑誌の刊行を手掛けます。その頃からル・コルビュジエという名前を使い始めました。ニューヨークにある『国連ビル』のデザインや上野の『国立西洋美術館』などのほかにも、個人住宅や集合住宅、礼拝堂や修道院の他にも様々な建築物をデザインしています。

参考:ル・コルビュジエ artscape ル・コルビュジエと20世紀美術  国立西洋美術館

 

1914年にル・コルビュジエ発表した建築理論「ドミノ・システム」は、鉄筋コンクリートでできた四隅の柱を床で繋ぐことにより、自由自在に空間をひろげることができるそれまでのヨーロッパ建築にはない画期的なアイデアでした。更に屋上という概念と自由な空間の創造を加え、ドミノ・システムを重ねることにより高層建築も可能になった鉄筋コンクリートの構造システムが、1926年にル・コルビュジエが提唱した「近代建築の5原則」です。

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ピロティ、屋上テラス、自由な平面、横長の窓、自由なファザードで構成される近代建築の基本構造で、それまでにあったレンガなどの重厚な壁に囲まれ、斜めの屋根で作られた建物と違い、1階部分に柱を用いたことで車空間を作り、壁をなくすことにより部屋の繋がりと構造が自由になりました。屋根を平面にすることで屋上という概念を生み出し、表側壁面部分には多くの窓や横長の窓など自由にデザインできるようになりました。


(香川県庁 設計:丹下健三)

現在のビルやマンションなど、すべてこの建て方が基本になっていませんか?コンクリートの普及により、新しい建築方法の可能性と住環境の改善を目指したル・コルビュジエの建築物が世界遺産になったのもうなずけるのではないでしょうか。

参照:建築思想図鑑 第1回 近代建築の五原則

 

世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献」


世界遺産に登録されたル・コルビュジエの建築作品は全部で17箇所あり、フランス・ドイツ・スイス・ベルギー・アルゼンチン・インド・日本と、三大陸7カ国に所在しています。これはル・コルビュジエの建築が、全地球規模のものとなったことを示している証拠であり、近代の社会的にもニーズにも対応していて、21世紀建築文化の基盤であり続けているということの現れです。こうした理由により世界遺産に登録されたル・コルビュジエの建築作品は、以下のものになります。

 

ル・コルビュジエの世界遺産登録作品①『ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸』

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ル・コルビュジエの世界遺産登録作品②『レマン湖畔の小さな家』

 

ル・コルビュジエの世界遺産登録作品③『ペサックの集合住宅』

 

ル・コルビュジエの世界遺産登録作品④『ギエット邸』

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ル・コルビュジエの世界遺産登録作品⑤『ヴァイセンホフ・ジードルングの住宅』

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ル・コルビュジエの世界遺産登録作品⑥『サヴォア邸と庭師小屋』

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ル・コルビュジエの世界遺産登録作品⑦『イムーブル・クラルテ』

 

ル・コルビュジエの世界遺産登録作品⑧『ポルト・モリトーの集合住宅』

 

ル・コルビュジエの世界遺産登録作品⑨『ロンシャンの礼拝堂』

 

ル・コルビュジエの世界遺産登録作品⑩『サン・ディエの工場』

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ル・コルビュジエの世界遺産登録作品⑪『クルチェット邸』

 

ル・コルビュジエの世界遺産登録作品⑫『マルセイユのユニテ・ダビタシオン』

 

ル・コルビュジエの世界遺産登録作品⑬『ラ・トゥーレットの修道院』

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次ページ:圧巻の存在感!カラフルで豪快なインド唯一のル・コルビュジエ遺産

 

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