ヨコハマトリエンナーレ2017 日本を代表する都市型トリエンナーレの紹介

アートやデザインのイベントを探していると、トリエンナーレという言葉をよく耳にするようになりました。トリエンナーレとは、3年に一度開かれる国際美術展覧会のことで、地域ぐるみでおこなうアートの大きな祭典をさします。今年開催2回目の札幌国際芸術祭、など、昨年開催したさいたまトリエンナーレなど、多くのトリエンナーレがあります。その中でも注目したいのは、今年で開催6回目となる横浜トリエンナーレです。

 

横浜トリエンナーレとは?

2001年からはじまった横浜トリエンナーレは、横浜を開催地とした日本を代表する都市型のトリエンナーレです。過去開催時の入場者数は、2011年が約33万人、2014年には約21万人を記録しています。これは、北海道函館市の人口(約26万人)に匹敵するほどの人が訪れたことになります。日本でトリエンナーレを開催する地域は少しずつ増え、また定着しつつあります。そんな中、都市型トリエンナーレのけん引役ともいえる横浜トリエンナーレは、今年どのようなお祭りを繰り広げるのでしょうか。

参考資料:ヨコハマトリエンナーレ 2017 開催概要

 

ヨコハマトリエンナーレ2017の見どころは?

ヨコハマトリエンナーレ2017では、横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念会館地下の3施設をメイン会場とし、計38組の国内外アーティストの作品が展示されています。トリエンナーレでは、より多くのアーティストの作品を一度に鑑賞できることが見どころの一つです。しかし、今回は参加アーティストの数を絞り、その代わりそれぞれのアーティストの展示は小規模ながらブース化されています。イベントタイトルが指すように、まるで点在する星や島を旅するように鑑賞を楽しむことができます。

また、アートをより考えるきっかけづくりとして、体験型イベントも多数用意されています。注目の展示内容もご紹介したいのですが、本記事では、体験型イベントの「ヨコハマラウンド」、「ヨコハマプログラム」、「ヨコハマスクリーニング」に焦点をあてて、ご紹介していきます。

 

ヨコハマトリエンナーレ企画① 公開対話シリーズ「ヨコハマラウンド」

(ヨコハマラウンド: ラウンド1 <0と1の間にあるアート> 養老孟司×布施英利)

公開対話シリーズ「ヨコハマラウンド」は、アーティスト、医師や文化人類学者など多種多様な専門分野の方々の対話から、アートやものごとを見る「新しい視点」を見つける講演会です。分野の枠組みを超えて、毎回違うスピーカーが対談する全8回のシリーズになっています。初回は、400万部を超えるベストセラー『バカの壁』の著者、解剖学者の養老孟司(ようろう・たけし)氏と、同じく解剖学者であり美術批評家の布施英利(ふせ・ひでと)氏が、「0と1の間に」というテーマで対談しました。デジタル化(0と1で成り立つ世界)が進む社会の中で、アートの意味とは何かを探っていきます。「アートってなんだろう?」素朴な疑問を投げかけられるところから、話は始まります。美術展やアートのイベントへ出掛けて、「この作品は、何を表現しているんだろう?」と考えることはあっても、「アートとは?」と、原点に立ち返る機会にはあまり出会えませんよね。二人の議論を聞きながら、改めて「わたしにとってのアートとは?」を考えてみたくなってしまいます。すでに開催された講演は、順次Youtubeで公開されているので、気になる方は、まずそちらをご覧になるといいかもしれません。

ヨコハマラウンド動画:https://www.youtube.com/playlist?list=PLLBJ5T9SesLax8cOxc2I3BlhIzhIvHUHA

 

ヨコハマトリエンナーレ企画② ヨコハマプログラム


ヨコハマプログラムでご紹介するのは、水族館劇場による舞台『もうひとつの この丗のような夢 ―寿町最終未完成版―』です。水族館劇場とは、仮設野外劇場と、十数トンもの水落の仕掛けや回り舞台などを使った演出を特徴とする見世物芝居劇団です。今回は、横浜・寿町に『盗賊たちのるなぱあく』という巨大廃園を仮設し、その中の野外劇場で舞台を行いました(9月17日終了)。座長の桃山氏が現役の建設現場の職人ということもあり、野外劇場は劇団員の手によって建てられています。また、仕掛けを動かすのもすべて人力です。

戦後の復興で日雇い労働者が溢れた街、横浜・寿町。現在は生活保護を受給する人が増加しています。仮設野外劇場が建設される敷地は、老朽化が進む総合労働福祉会館が新しく建て替えられるために整備された土地です。戦後から現代へ時代の流れを感じさせるこの土地で、『盗賊たちのるなぱあく』は、まさしく夢のように一瞬だけ存在する場所となります。その土地が持つ独特の気配の中に建った仮設劇場が物語と相まって、過去と現在、夢と現実の間にいるような気持ちにさせます。水族館劇場は残念ながら閉幕していますが、トリエンナーレ閉幕まで様々なヨコハマプログラムが開催されています。

水族館劇場 公式サイト:http://www.suizokukangekijou.com/

 

ヨコハマトリエンナーレ企画③ ヨコハマスクリーニング

ヨコハマスクリーニングでは、ヨコハマトリエンナーレ2017のテーマである「接続と孤立」、イベントタイトルの「島」「星座」「ガラパゴス」といったキーワードに関連する映画を上映します。横浜美術館レクチャーホールで行われるこのイベントは、ヨコハマトリエンナーレ2017のチケット(使用・未使用問わず)提示により、無料で鑑賞することができます。上映される映画は、国内外のアニメーションからドキュメンタリー、実験映画まで幅広い作品があります。


中でも、おすすめしたいのは、本展出品作家であるオラファー・エリアソンの創作の現場に迫った長編ドキュメンタリー『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』です。現代アートシーンの中でも注目度の高いオラファー・エリアソン。彼が巨大な滝をニューヨークのイースト川に出現させるインスタレーションの製作現場をカメラが密着します。また、作品づくりのドキュメンタリーの合間には、映画を観ている側も参加できる実験も入っています。この映画を観ると、「わたしがいま見ているものは、本当にわたしが思っているものなのか?」そんな疑問を持たずにはいられなくなります。映画を観る前後で、実際に彼の作品に触れられるのも、大きな魅力ではないでしょうか。

『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』公式サイト:http://www.ficka.jp/olafur/

 

アートと都市の融合 ヨコハマトリエンナーレ

展示作品だけでなく、イベントも盛りだくさんのヨコハマトリエンナーレ2017。作品の鑑賞を楽しみつつイベントへも参加することで、アーティストや作品の深い部分に触れられるのではないでしょうか。秋の心地よい気候の中で、海の香り漂う横浜を散歩しながら、じっくり芸術の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか

開催概要

ヨコハマトリエンナーレ2017

会期:2017年8月4日(金)‐ 11月5 日(日) 開場日数:88日間
休場日:第2・4木曜日(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26))
会場:横浜美術館/横浜赤レンガ倉庫1号館/横浜市開港記念会館 地下ほか会場間無料バスも運行
開場時間:10:00 – 18:00 (最終入場17:30)
[10/27(金)、10/28(土)、10/29(日)、11/2(木)、11/3(金・祝)、11/4(土)は20:30まで開場(最終入場20:00)]
鑑賞券:一般1,800円、大学・専門学校生1,200円、高校生800円、中学生以下無料

※近隣で開催されている2つのアートイベント「BankART Life V」、「黄金町バザール2017」のパスポートもセットになったお得なセット券もあります。詳細は公式サイトにてご確認ください。

ヨコハマトリエンナーレ2017 公式サイト:http://www.yokohamatriennale.jp/2017/index.html

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