銀座 メゾンエルメスの紹介 180年間続く美の追及 

エルメスといえば、バーキン、ケリーといったバッグや革製品、シルクに魅惑的なデザインが施されたカレを思い出す憧れのブランドです。自動車や鉄道が登場する前の馬が移動手段だった時代に、馬具工房としてパリにお店を出したエルメス。それから180年もの間、名門メゾンとして伝統や技術を守りつつ、変わらず先端に位置しています。ファッションのみならず、美しさそのものを追い続けるエルメスが提案する世界は、銀座にあるメゾンエルメスで触れることができます。

 

メゾンエルメスとは

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メゾンエルメスとは、エルメスジャポン株式会社の本社ビルのことです。メゾンエルメスは、地下1階から4階は銀座店のフロア、8階は展示をする空間Le forum(以下フォーラム)、10階は予約制のミニシアターLe Studio(以下ル・ステュディオ)になっています。また、正面入り口の両脇には、大きなショーウィンドウがあり、そこに飾られるウィンドウディスプレイも、メゾンエルメスによるアートを楽しめる空間のひとつになっています。

エルメスでは、創立150周年の1987年以降、毎年年間テーマが設定されています。各年のテーマに沿った新しいデザインが生み出されており、購入時にかけてもらえる茶色いリボンまで、デザインを更新する徹底ぶりです。2017年の年間テーマは「オブジェに宿るもの」です。メゾンエルメス フォーラム、ル・ステュディオ、ウィンドウディスプレイで開催される展示や上映も、テーマに沿った内容になっています。

メゾンエルメス Le forum『ATM tempo I/II/III セロニアス・モンクに捧ぐ』エマニュエル・ソーニエ展

メゾンエルメスのフォーラムで現在開催されているのが、エマニュエル・ソーニエ氏(以下敬称略)による展示です。ソーニエは、パリ生まれの彫刻家です。1970年代より作家活動を開始し、主にガラスを用いた作品で知られるようになりました。メゾンエルメス フォーラムとして第50回目の展示となる本展覧会。ソーニエは、1963年に来日公演を行ったジャズピアニスト セロニアス・モンクの演奏からインスピレーションを受け、楽曲のように3つのパート(tempo I/II/III)を構成した展示を行っています。

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tempoⅠは、モンクの演奏をイメージして制作した本展覧会のメインパート。形も長さも異なる音のうねりを持ったような黒い木や、槍のように細長いガラスが壁や床に置かれています。モンクの演奏は、つまずいたような間の取り方や、聞きなれないメロディラインが特徴といわれますが、木の大きさや配置は、そのユニークさを表現しているのでしょうか。

 

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tempo IIは、ソーニエのコレクションを中心に展示されています。ソーニエ自身がどのようなアーティストから影響を受けているのか、またそれをどのように作品づくりに繋げているのかが垣間見えます。その中に『博士の愛した数式』などで知られる作家小川洋子氏とソーニエの対談動画があります。小川作品を例にして、ソーニエの哲学や創作の考え方にある共通点と相違点を語るふたり。彼らの創作の根底に流れる哲学に触れられる貴重な動画です。

 


tempo IIIは、『Keys(鍵)』『Trans(超越)』『Bul(泡)』の3つの彫刻が展示されています。それぞれの展示は、ガラス、黒いインク、水やスチールと無機質なものでできています。感情をのせにくい冷たさのある素材を使うことで、人間そのものや人間を取り囲む現代社会の本質を考えさせる展示になっているのではないでしょうか。

 

メゾンエルメス Le studio「衣・食・住」をテーマにセレクトした映画

メゾンエルメスのル・ステュディオは、40席の完全予約制プライベートシネマです。10月、11月は2カ月間にわたり、「衣・食・住」をテーマにした映画を3本上映します。それでは、映画をご紹介していきましょう。

『みんなのいえ』は、2001年に公開された三谷幸喜監督の映画で、放送作家の主人公とその妻が、新居を建てるまでのお話です。建築を依頼した施主と、依頼されたデザイナー、大工の棟梁のそれぞれが「家」にかける思いから意見主張をし合い、お互いに振り回される「ものづくり」の難しさが表現されています。

 

『マリー・アントワネットに別れをつげて』は、2012年に公開されたフランス・スペイン合作映画で、仏文学賞に輝いた小説を、ブノワ・ジャコー監督が映画化した作品です。物語は、フランス革命時、マリー・アントワネットの朗読係を務める少女シズニーの視点で描かれます。豪華絢爛なヴェルサイユ宮殿の暮らしが、フランス革命を通してその意味や価値を大きく変えていく様子が描かれています。

 

『恋人たちの食卓』は、1994年に公開された台湾映画で、ゴールデングローブ賞外国語映画賞やアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされたアン・リー監督の作品。一流ホテルの料理長を務める父親と、年頃の娘3人が織りなすヒューマン・コメディです。毎週日曜日の夜は、父の元に集まり食卓を囲むことにしている娘たち。美味しそうな料理がテーブルに並ぶ中、なかなか箸が進みません。イマドキの娘たちの考えとの違いに父親は世代のギャップや老いを感じ、楽しさと気まずさが共存する食卓の雰囲気には、リアリティがあります。

 

メゾンエルメスのウィンドウを彩る「現代版アルチンボルド」

 

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