21_21 DESIGN SIGHT 「デザイン」を見つめ発信する美術館

21_21 DESIGN SIGHTは、東京ミッドタウン内にあるデザインに特化した美術館です。21_21 DESIGN SIGHTでは日本のデザインを世界に発信する基地であること、デザインの魅力を人々に伝える場所であることを目指して、様々な試みが開催されています。そんな21_21 DESIGN SIGHTの詳細と、過去の、そしてこれからのプログラムをお伝えします。

 

21_21 DESIGN SIGHTとは? 読み方、そしてその姿勢


お洒落なショップや気鋭の美術館が集まる、東京都港区赤坂の東京ミッドタウン。21_21 DESIGN SIGHTはこの東京ミッドタウン内、緑に囲まれたミッドタウン・ガーデンにあります。

気になる「21_21 DESIGN SIGHT」という文字の読み方ですが、これは「トゥーワン・トゥーワン・デザインサイト」。英語で「優れた視力」のことを「20/20 Vision (Sight)」と言うことから、物ごとの見方やまなざしそのものを大切にし、さらにその先まで見通すデザインの発信基地でありたい、という思いが元になっています。グラフィックデザイナーの佐藤 卓氏(以下敬称略)がデザインした、鮮やかなブルーの21_21 DESIGN SIGHTプロダクトロゴ(シンボルマーク)にも、この願いが込められています。


21_21 DESIGN SIGHTはその名の通り、単なる美術館ではなく「デザインの場」としての立場を大切に守っています。私たちが日常生活の中で目にする「デザイン」の視点から様々な見方や考え方を提案し、世界に発信することが21_21 DESIGN SIGHTのテーマです。そのため21_21 DESIGN SIGHTでは、デザインからとらえる「日常」をテーマに、一般の人がデザインを多角的に楽しめる展覧会やワークショップなどを、年間を通じて開催しています。

これらの企画を行っているのが現代日本のデザインの現状を周知している3人のデザイナーと1人のジャーナリストであることも、21_21 DESIGN SIGHTの特徴といえるでしょう。3人のデザイナーとは、21_21 DESIGN SIGHT設立のきっかけを作ったデザイナーの三宅一生氏(以下敬称略)、プロダクトロゴをデザインしたグラフィックデザイナーの佐藤 卓、そしてプロダクトデザイナーの深澤直人氏(以下敬称略)。1人のジャーナリストとは、デザイン誌『AXIS』の編集などに携わってきた川上典李子氏(以下敬称略)です。三宅、佐藤、深澤がディレクターとして、川上がアソシエイトディレクター として、常に21_21 DESIGN SIGHTが、一般の人々と、デザインの作り手であるデザイナーや職人や企業など、それぞれを結ぶ「場」であるように企画を検討しています。

参考:
21_21 DESIGN SIGHTとは(21_21 DESIGN SIGHT公式HP)
ディレクターズ(21_21 DESIGN SIGHT公式HP)

 

21_21 DESIGN SIGHTの設計者・安藤忠雄のこだわり


21_21 DESIGN SIGHTを訪れると、「美術館の建物」というイメージとは少し違う、1階建ての建物が私たちを出迎えます。21_21 DESIGN SIGHTの建築は、地上1階・地下1階の低層建築で、その8割が地下にあります。目を引くのは地上1階左右の建物の、まるで地面に向けて折り紙をぱたんと折ったような、巨大な三角鉄板の屋根です。この屋根は一番長い部分で54m。一見1枚つづきの鉄板で出来ているように見えますが、実は厚さ16mmの複数の鉄板を溶接で継ぎ合わせて造られています。


この21_21 DESIGN SIGHTの建物を設計したのは、建築家・安藤忠雄氏(以下敬称略)です。安藤忠雄は日本のみならず世界で活躍を続けている建築家で、東京都渋谷区の表参道ヒルズや香川県直島町のベネッセハウスなど、コンクリート打放しを多用した斬新でユニークな作品で知られています。

21_21 DESIGN SIGHTを創るにあたって、安藤忠雄は21_21 DESIGN SIGHTのディレクターの1人でもあり、設立のきっかけを作ったファッションデザイナー・三宅一生のデザインコンセプト「1枚の布」に着想を得て、「1枚の鉄板」という考えにたどり着いたといいます。複数の鉄板を溶接してなだらかな1枚の巨大な鉄板を造ることは大変な作業でしたが、建築現場の人々の高い技術力が安藤忠雄の構想を支え、実現させました。

参考:建築について(21_21 DESIGN SIGHT公式HP)

 

21_21 DESIGN SIGHT 過去のプログラム紹介「単位展」

それではここで、21_21 DESIGN SIGHTで開催された、過去のプログラムを2件ご紹介しましょう。

単位展「Giraffe’s Eye」トレーラー from 21_21 DESIGN SIGHT on Vimeo.

まず1件目は2015年2月から 5月にかけて開催された「単位展 ―あれくらい それくらい どれくらい?」(以下「単位展」)です。人間の日常生活の中になくてはならない「単位」ですが、改めて考えると実態を知らない単位が沢山あることに気づきます。「単位展」は色々な「単位」を視覚的・デザイン的に問いかけ、時には観覧する人自身が「単位」を楽しく体験しながら、新しい視点を見つけられるように構成された展示でした。

この展覧会はデザイナー、コピーライター、建築家など、異なる職種の10人が中心となって企画されました。またこのメンバー10人が集まって、単位に関係する色々な試みを行うweb連載「10人でできること」が、21_21 DESIGN SIGHの公式サイトに掲載されました。

参考:
単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?(21_21 DESIGN SIGHT公式HP)
「単位展」Web連載 「10人でできること/展覧会企画チーム インタビュー」(21_21 DESIGN SIGHT公式HP)

 

次ページ:21_21 DESIGN SIGHT 過去の展示「そこまでやるか展」

 

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