松本市美術館 草間彌生ワールド全開?地域に根差した美術館とは

松本市美術館で開催中の展示「山、眠る ③ 田村一男没後20年」

田村一男は、明治37(1904)年、東京都生まれの洋画家です。日本の洋画界をけん引し、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者に送られる文化功労者も受章しています。自然の美しさに魅せられ、日本の高原風景を生涯のテーマとして描き続けました。

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(日本アルプスの山々)

なかでも信州には毎年訪れており、田村が自身の肌で感じた自然の厳しさと大地のぬくもりが絵に込められています。松本市美術館では、田村一男没後20年ということで、70年にも渡る画業を1年かけて作品を入れ替えつつ展示しています。現在公開しているのは、3シリーズ目。「山、眠る」とは季語で冬のことを指します。油絵に山水画の東洋の感覚を取り入れるなどし描いた田村の山の絵には、静かな中にくすぶる心の動きのようなものが感じられます。これからますます寒くなる長野を肌で感じながら、松本市美術館で田村一男の描く冬を観てみてはいかがでしょうか。

山、眠る ③ 田村一男没後20年

会期:2017年9月5日(火)〜 2018年1月8日(月)
会場:田村一男記念展示室

 

松本市美術館News『あーとふる』について


松本市美術館ニュース『あーとふる』は、松本市美術館が発行している情報冊子です。発行は不定期ですが、約2、3か月に1度ほど発行されています。冊子内容は、展示品の紹介と、美術館関係者によるエッセイがあります。

前者は、その時期に開催されている展示の紹介をする「アートエキシビジョンガイド」、収蔵品の紹介をする「視る」、松本市美術館で開催されたワークショップの様子をまとめたレポート「ワークショップレポート」があります。

後者は、松本市美術館館長によるエッセイ「ポルカドット号探検記」、松本市美術館の学芸員が最近気になったことや熱中していることを綴ったエッセイ「リレーエッセイ」、身の回りにあるアートやデザインのお話が誰にでもわかりやすい切り口で紹介するエッセイ「身近なアート」があります。

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そのほかにも、美術館からのお知らせやその時々で少しずつ目次は変わっていきます。ボリュームはさほど大きくはない冊子ですが、その内容は地域の情報を交えた話題も多く、読み応えがあります。というのも、『あーとふる』のライティングをしているのは、全員が美術を伝えるプロである松本市美術館の学芸員です。

ここで1つ記事をご紹介します。それは、『あーとふるvol53』 内の「身近なアート」に掲載されている記事です。テーマは「ねこ」。イギリスの博物館が所蔵している約二千年前の屋根瓦に、最近ねこの足跡がついていることがわかった、という話からエッセイは始まります。古くから人間と寄り添って暮らしていた身近な動物であるねこをテーマにした日本画は、数多くあります。

     

その中でも、歌川国芳・広重は、生活に溶け込むねこを描くのが得意であったり、竹内栖鳳(たけうち・せいほう)は、生活感とはほど遠い幻想さが美しいねこを描くのが得意であったりと、同じねこをテーマにしてもさまざまな表現があることを紹介しています。ほかにもどのような画家がねこを題材にしているのか気になってしまいますね。

このように、『あーとふる』では身近な話題からアートへの興味の持ち方や、その興味からさらに見方を広げていけるヒントになる作品が紹介されています。学芸員の方々の、地域の人びとをはじめ来場する方々へアートやデザインにもっと気軽に触れてほしいという思いが感じられます。気になる方は、バックナンバーがウェブサイトからも閲覧できますので、ぜひご覧になってみてください。

あーとふるバックナンバー:http://matsumoto-artmuse.jp/news/category/artful/

 

地域とのつながりを育む 松本市美術館

 

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(松本市美術館から徒歩15分の松本城)

松本市美術館は、地域にゆかりの深いアーティストを紹介するとともに、長野の自然や歴史を感じさせる展示など、その土地でしか味わえない肌感を大事にしています。地域の方には、アートに興味を持ってもらえるようワークショップを開催し、松本市美術館の情報冊子『あーとふる』を通じて発信するなど、アートを身近に感じてもらえる工夫も見えるアットホームな美術館です。最近では、12月から来年3月にかけて3日間だけ、開館時間を延長してナイトミュージアムを開催することも発表されました。今後企画も発表されていくそうです。この冬、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

美術館情報

開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は次の最初の平日)、 年末年始(12月29日~1月2日)

観覧料:
<コレクション展>
大人410円(団体:310円) 大学高校生200円(団体:100円)
団体料金は20名以上
70歳以上の松本市民、中学生以下は無料
障害者手帳携帯者とその介助者1名無料
その他、割引があります。

<企画展>
展覧会により異なります。企画展情報をご確認ください。
また、企画展の観覧券で、コレクション展もご覧頂けます。(一部展覧会を除く)

公式サイト:http://matsumoto-artmuse.jp/

参考:
松本市観光情報ポータルサイト 新まつもと物語
田村一男(東京文化財研究所HP)

 

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