奈義町現代美術館 アートを身体で感じる3つの部屋

奈義町現代美術館『月』の部屋

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『大地』の部屋を抜けて左側の階段を上がっていくと、三日月型の白い部屋にたどり着きます。岡崎和郎氏(以下敬称略)による作品『HISASHI−補遺するもの』です。岡崎和郎は、部分を通して全体を見通すための概念「補遺」をテーマに、身近にあるものをモチーフにした作品や、偶然の産物から生まれるものをオブジェにした作品を多く発表しています。

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高くそびえる白い壁に取り付けられた黄金のオブジェ『HISASHI』は、1977年ごろから岡崎和郎が取り組んでいるシリーズで、制作する度に形を変える「偶然の彫刻」です。弧を描いた壁に沿って置かれているのは、岡山産御影石のベンチ。部屋の両端から差し込む光は壁に陰影を描き、奈義町現代美術館を訪れた者に安らぎを与えてくれます。

 

Posted by 奈義町現代美術館( Nagi MOCA ) on Sunday, 27 September 2015

また、『月』の部屋は中秋の名月の方向軸を向いており、中秋の名月の夜10時にはちょうど月光が差し込み、白い壁に影を落とします。それにちなんで奈義町現代美術館では、毎年9月下旬ごろに『奈義MOCA観月会』を開催。普段は鑑賞できない夜の美術館で、音楽とアートが融合した特別な時間を過ごすことができます。

参考:
常設展示作品(奈義町現代美術館)
岡崎 和郎「HISASHI」(倉敷市HP)
岡崎和郎 Who’s Who−見立ての手法(千葉市美術館HP)

 

 

奈義町現代美術館『太陽』の部屋

奈義町現代美術館において外側も内側も強烈なインパクトを放つ『太陽』の部屋。荒川修作氏とマドリン・ギンズ氏による作品『偏在の場・奈義の龍安寺・建築する身体』です。荒川修作とマドリン・ギンズは公私ともにパートナーとして創作活動を続けており、1995年に開園した『養老天命反転地』は、現在も国内外から年間約9万人が訪れるという大人気スポットとなっています。

 

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『太陽前室』と呼ばれる小部屋の中央には、黒く傾いた円柱。天井と床には迷路のような模様が描かれ、中央に向かって傾斜しています。遠近法を無視した造りは、まるでこの先へ進もうとする者を拒んでいるかのようです。黒い円柱の後ろへ回ると螺旋階段になっていて、その先にはさらに奇妙な空間が待ち受けています。

 

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斜めに傾いた大きな円筒状の『太陽』の部屋は正確に南北軸と重なっており、南を向いた前方からは強い光が差し込みます。床と天井にはベンチとシーソー、左右の壁には京都の龍安寺そっくりの石庭が施されています。一見、上下と左右が対象のようですが、それぞれ大きさが1.5倍違っており、視覚だけでなく身体全体がバランスを失ったかのような不思議な感覚に包まれます。

『大地』『月』『太陽』の3つの部屋は、独立しているようでそれぞれが呼応し、訪れた者の五感を揺さぶります。『大地』から『月』へ。『月』から『太陽』へ。そしてまた『大地』へ。万物のすべてを表すような奈義町現代美術館は、これまでにないアートを体感させてくれる空間です。

参考:
常設展示作品(奈義町現代美術館)
ARAKAWA+GINS Tokyo Office HP

 

 

奈義町現代美術館が切り開いた新しい美術館の道

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第三世代美術館の先駆けとして、1994年に誕生した奈義町現代美術館。作品を飾る入れ物としての美術館から、建物やその土地の風景までも作品にしてしまう新しい美術館へ。その思いは今、多くの美術館へと受け継がれています。

 

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目で見るだけでなく、自分自身を作品の中に置き五感すべてをフル活用して感じるアートは、これまでにない新しいアートとの関わり方を教えてくれます。ぜひ奈義町現代美術館を訪れて、作品と建物、そして美しい自然が一体となって作り出すアートを、身体全体で感じてみてください。

 

美術館情報

名称:奈義町現代美術館
通称:Nagi MOCA(ナギ・モカ)
所在地:〒708−1323 岡山県勝田郡奈義町豊沢441
営業時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日の場合は開館)および祝日の翌日
観覧料金:一般・大学生700円、高校生500円、中学・小学生300円
お問い合わせ:0868−36−5811

公式HP:http://www.town.nagi.okayama.jp/moca/
公式Facebook:https://www.facebook.com/%E5%A5%88%E7%BE%A9%E7%94%BA%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8-Nagi-MOCA–360771793985466/

 

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