黄金町バザール 町を蘇らせたアートの祭典

 

神奈川県横浜市に、アートによって蘇った町があります。黄金町と呼ばれるそのエリアは、町中にアートがあふれ、アーティストと住民たちが共にまちづくりを行っています。そんな黄金町で毎年行われているアートイベントが、黄金町バザールです。

近年、様々なアートイベントが開催されるようになった中で、着実にファンを増やし、2017年には10回目の開催を成功させた黄金町バザール。今回はそんな黄金町バザールをご紹介するとともに、黄金町がどのようにして蘇っていったのか、そのあゆみを振り返ります。

 

黄金町バザールとは

お天気もよく、あつ〜い一日でしたが、たくさんの方にお越しいただきました!ありがとうございます!

Posted by 黄金町バザール Koganecho Bazaar on Saturday, 8 August 2015

黄金町バザールは、毎年秋に横浜市中区黄金町エリアで開催されているアートフェスティバルです。主催しているのは、NPO法人黄金町エリアマネジメントセンター。2008年、第1回黄金町バザールの成功を機に、「アートによるまちづくり」をテーマに発足しました。その後はイベント事業だけでなく、日常的にまちづくりに関わる活動を積極的に行なっています。

気持ちの良い秋晴れ!!本日も黄金町バザール2013元気に幕開けです。午前中はテレビの撮影があったりと騒がしかったですが、いまはすっかりのんびりモード。

のんびり歩いてアート鑑賞の後は、足休めに「初黄日商店会のビアガーデン」いかがですか…

Posted by 黄金町バザール Koganecho Bazaar on Friday, 20 September 2013

黄金町バザールでは毎年テーマを設け、国内外のアーティストやキュレーター、建築家などを招聘。町全体が展示空間となり、様々なイベントが開催されています。若手アーティストたちのパフォーマンスや誰もが参加できるワークショップ、そしてアートとまちづくりを考えるシンポジウムなど、黄金町バザールならではのプログラムが話題を呼び、毎年多くの人々が黄金町を訪れています。

参考:黄金町バザール(黄金町エリアマネジメントセンター)

 

 

黄金町バザール開催までのあゆみ

黄金町バザールの会場となっている初黄・日ノ出町地区には、かつて売買春などを行う違法風俗店が250件以上存在していました。生活環境の悪化により商店や住民の転出が相次ぐなか、地域住民は2003年に「初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会」を設立。安全で安心なまちづくりを進めるべく、行政や大学などと連携しながら様々な活動を行なってきました。

国への要望書提出を受け、神奈川県警は2005年1月に地域の違法店舗を一斉検挙する「バイバイ作戦」を開始。協議会は「まちづくり推進部会」を発足し、地域の防犯拠点となる「ステップ・ワン」の設置や、まちづくりイベントの開催などを推進。そして2008年、かつて違法店舗であふれていた高架下に建設されたスタジオをメイン会場に、黄金町バザール2008が開催されました。

国内外のアーティストが様々なパフォーマンスや展示を行うだけでなく、持続的なまちづくりに繋がる多彩な企画で構成されている黄金町バザール。地域の人気イベントであるヨコハマ映画祭やヨコハマトリエンナーレとも連携し、アートを通じて人々が結びつく画期的なイベントとして定着。10年の節目を迎え、時代の変化とともに新しい取り組みも実施され、さらなる広がりを見せています。

参考:
黄金町エリアマネジメントセンターについて(黄金町エリアマネジメントセンター)
『黄金町バザール2017』が開催に 黄金町を舞台に多様性を問うアートフェスティバル(SPICE)

 

 

黄金町バザール2017の紹介

2017年8月4日から11月5日まで開催された、黄金町バザール2017のテーマは「Double Façade(ダブルファサード)他者と出会うための複数の方法」。上野の森美術館や水戸芸術館現代美術センターで学芸員を務めてきたインディペンデント・キュレーターの窪田研二氏を迎え、アートを通じてまちづくりを推進してきた黄金町バザールが、改めてアートと地域コミュニティとの接点や関係性を問いかけました。

黄金町バザール2017は、会期を2期に分けて開催されました。vol.1ではアーティストたちが制作のプロセスを公開するほか、参加型のプログラムを中心に展開。ヘルシンキを拠点に活動するテレルヴォ・カルレイネン氏とオリヴァー・コフタ=カルレイネン氏が生み出した、不満を曲にのせて歌う『不満の合唱団』では、作曲家の西井夕紀子氏とともに地域の人々が合唱団を結成。『不満の合唱団in黄金町』としてパフォーマンスを行いました。

vol.2では、参加アーティストや、黄金町で制作活動をする若手アーティストの新作を一挙に公開。第17回岡本太郎賞で大賞を受賞したキュンチョメは、2011年から「生きるために逃げる事」をテーマに活動を続けている男女のアートユニット。黄金町バザール2017では、2016年に個展で発表された『ここでつくる新しい顔』に未公開の映像をまじえて公開。日本に逃れてきた難民と来場者が二人一組となり、目隠しをして一つの顔を作り上げていく様子を映し出し、日本における難民という問題を投げかけました。

参考:
黄金町バザール2017 –Double Façade 他者と出会うための複数の方法 公式HP
『黄金町バザール2017』が開催に 黄金町を舞台に多様性を問うアートフェスティバル(SPICE)
キュンチョメ KYUN-CHOME 公式HP

次ページ:黄金町バザールと黄金町芸術学校

 

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