「昆虫食」を調査!人にも地球にも優しい未来の食糧源

「昆虫食」と聞いて、抵抗感を抱く方は多いですよね。日本の一部の地域では、郷土料理として昆虫を食べる習慣がありますが、現代では多くの人にとって馴染みのない食糧です。

ですが、昆虫食は人類が抱える課題を解決する新しい食糧として注目を浴びていることをご存知でしょうか。日本では人口減少が叫ばれていますが、世界全体でいえば人の数は増える一方です。国連の推計では2050年に世界の人口は97億人に達する見込みで、それに伴い食糧難の問題が深刻化するとされています。

そうした背景を踏まえ、栄養価が高く、生産コストが低い昆虫が食糧源として注目を浴びているのです。また、あまり知られていませんが、虫の飼育に使う餌や水の量が少ないため、昆虫食は環境にも優しい食糧。つい先日、無印良品が先日コオロギのパウダーが入ったクッキーを売り出し、話題になりました。

ただ、いくら理想的な食糧であっても抵抗感を持つ人がまだまだ多いのが現状です。ここでは、より食べやすくなる工夫が凝らされた昆虫食や、開発に取り組む企業をレポートします!

 

昆虫食の紹介① 災害用の備蓄にも!チョコチップ味の「コオロギパン」

昆虫食の中でも、高タンパク質、低糖質で、ビタミンやミネラルを含み栄養価が高いとされているコオロギ。実はすでにコオロギを使ったさまざまな食品が生まれています。

徳島大学発のベンチャー企業「大学シーズ研究所」は、コオロギの食用化を目指して研究開発をしています。同企業によると、牛や豚などの家畜と比べ、使う飼料や水の量が圧倒的に少なくてすみます。また、これらの家畜のように大規模な飼育設備が必要ないため、同じ量のタンパク質を得る場合コオロギの方がより環境に優しい食糧なのです。

コオロギパンは、粉末状のコオロギが練りこまれたパンです。パン1個は100グラムで、含まれるコオロギの粉末は3グラム。見た目は普通のパンと変わりなく、味はチョコチップ味です。使用されているコオロギは、国内の室内設備で飼育されているので安心です。

また、コオロギパンは缶に入っており、5年間保存が可能。栄養価も高いため、災害用備蓄としても活用が期待されています。

大学シーズ研究所 ホームページ:https://daigaku-seeds.com/

 

昆虫食の紹介② 昆虫食をより手軽に!?「昆虫食自動販売機」

2018年、熊本市の個人商店の店先に突如現れ、Twitterなどで話題になった特殊な自動販売機があります。それが、「昆虫食自動販売機」。モノクロで描かれた昆虫の絵が幾何学模様のように並び、スタイリッシュな外観です。自販機の上には、「昆虫食をはじめました」の文字が・・・。

 

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昆虫自動販売機で販売しているのは、スーパーワーム(釣りの餌などで使われる幼虫)のチョコ、バッタのチョコ、コオロギやゲンゴロウなど。カブトムシやタランチュラがあることも!商品は国内外のメーカーから購入しており、その時によって置いている商品は違うようです。

自販機を置いている店は、なんとアートバルーンショップ(!)の「DISCOVER BALLOON」。店主が、食糧難の問題や昆虫食の可能性に関心を持ち、企画、設置したそうです。2019年のDANROの記事によると、店主は今後昆虫食の開発、製造にも意欲を示しており、「地産地消の昆虫食をつくるため、試行錯誤の研究をしている」と話しています。

2020年3月には、通信販売などを手掛ける「アールオーエヌ」などが上野のアメ横に昆虫自販機を設置し、こちらも注目を浴びています。より手軽に昆虫食にトライできる昆虫食自販機、みなさんも一度試してみてはいかがでしょうか。

DISCOVER BALOON ホームページ:https://discover-balloon.business.site/#summary

アールオーエヌ 昆虫食自動販売機プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000036525.html

 

昆虫食の紹介③ おやつやおつまみに!昆虫のスナック菓子

お菓子のOEM製菓メーカーのMNHが製造するのは、スタイリッシュなパッケージに包まれたスナック菓子の数々。もちろん、昆虫入りです。ここまで来ると定番(?)のコオロギを使った煎餅やおつまみを販売しています。わさび味やガーリック味などお酒に合いそうなフレーバーをそろえています。


また、牛乳を掛けてシリアルとしても楽しめるコオロギのスナックもあります。同社は、「食糧危機や環境問題について知るきっかけを」との思いから、コオロギを使った菓子製造に着手しました。昆虫食と聞くと「虫をそのまま食べる」というイメージがある方もいるかもしれません。ですが実際は、見た目も気にならず、味の種類も豊富な昆虫食が生まれています。

意外といけるかも?昆虫食のすすめ

いかがだったでしょうか。「想像していたよりも親しみやすい」「昆虫食、挑戦してもいいかな」と思ってくれた方がいたらうれしいです。昆虫食は、日本の一部地域や、アジアやアフリカの一部の国では普通の食卓に並んでいます。そうした文化の中で生まれ育てば、誰しも抵抗なく昆虫を食べていたかもしれませんよね。

今回は、食糧危機を深刻な課題と捉え、さまざまな工夫を凝らして昆虫食を広げようとしている企業や個人の取り組みを紹介しました。今後伸びるビジネスとしても注目される昆虫食。まずは、先入観を取り除き、ひとくちチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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